2009年2月24日。新橋駅、18時05分。駅の自動放送が列車の通過を知らせる。通勤客で一杯のホームを蒼い列車がゆっくりと通過する。長躯1000kmの旅は始まったばかり。僕たちの羨望の眼差しを受け、列車は西へと旅立って行った。廃止まであと18日。
大船駅、18時43分。合成音声が列車の通過を知らせる。プラットホームの先端から光が射す。轟音一閃。青き衣を纏った九州行寝台特急が通過する。定時通過。ハンドルを握るのはベテラン乗務員。その腕が冴えわたる。伝統の1列車。廃止まであと34日。